就活を終えた
はじめに
この記事はポエムです。
先日、内定承諾をして就活が終わった。
就活を始めたのが去年の 9 月くらいだったので、だいたい 1 年くらい就活をしていたことになる。
とはいえ、内定承諾をしたのが最近だっただけで実質的な就活は去年の年末で終わっていた。
それからは頂いた内定を 1 つずつ断り、残った 1 つだけ承諾せずに残していた。残していた明確な理由は特になくて、ただ内定承諾期間が長いからというだけだった。
ついに社会人になるのか、と思うと感慨深いものがあるので、今までなにをしてきたか・なにを思ってきたかを鮮やかに思い出せる間に書いておきたいと思う。
高校
高校は工業高校の情報技術を扱う学科だった。第 1 志望は高専で、それに落ちて第 2 志望のこの学校に行くことになった。高専では電気科志望だったのでそちらに行かなくてよかったと今では思っている。
高等教育機関ではないので当たり前だけど、高校ではコンピュータサイエンスというより、就職するために必要な知識を学ぶような感じだった。C 言語の文法を 3 年間かけて学び、ハードウェア・ソフトウェアともに浅く狭く学んだ。
一応プログラミング歴はその頃から始まっていたことになるけど、当時は Linux もコマンドラインといった環境も全く使っていなかったし、知らなかった。
大学
大学は会津大学という福島の公立大学に通っている。大学に行くということは、それだけで実家に負担がかかるので、公立かつ県内出身の人は入学費が半額になる会津大学を選んだ。工業高校から推薦を使わずに大学に行くということは、めちゃくちゃ難しくて、うちの高校ではセンター試験は受けない前提のカリキュラムなので当然普通科の高校生より圧倒的に学力が劣っていたと思う。会津大学の偏差値は高くないけど、自分も受験期は地獄を見た。
この大学は、コンピュータ理工学部しかないことで有名で、大学の規模は大きくないけど通っているすべての学生がコンピュータサイエンスを学んでいる。残念なことに、会津大学は国公立大学の滑り止めに使われることが多く、落ちてきた人がかなりの割合を占めている。結構そういう人はコンピュータサイエンスを学ぼうという意識も低いように感じるし、そういった人に影響を受けやすい環境であることは間違いない。
ただ、毎年一定数異常にコンピュータに精通している人たちが入学しているので、そういった人たちと関わっていると良い刺激を受けることができると思う。
授業の質は普通という感じで、特に良いと思ったのはオートマトンと言語理論、言語処理系論、離散系論くらいしかなかった気がするけど、UNIX 環境があり、広く浅くコンピュータサイエンスを学べる大学は日本にはあまりなさそう。
ベンチャーアルバイト
会津大学発のベンチャーが市内には多くある。ただし、実際にはベンチャーではなくただの零細企業であるところがほとんどというのが現状な気がする。
それでも比較的まともな企業には大学の先輩が多く在籍していて、そういったところでアルバイトとして働くことで色んな技術的なことを教えてもらえると思う。
自分も学部 1 年から 4 年の春頃まで計 2 社の企業で働いていた。一社目は JavaScript (Node.js 含む) とか PHP とかを使う業務をいろいろやっていて、二社目ではバックエンドエンジニアとして Go で Web API サーバを書いていた。
ただ、会津大学のある会津若松市は他にコンピュータサイエンスの大学もなく、遊ぶ場所もなく、山に囲まれた良くも悪くも閉鎖的な環境なので気をつける必要がある。 大学に入ったばかりのときは、意識が高いのでどんな企業も魅力的に見えるけど、実際にはひどい企業もたくさんある。なにかおかしいなと気がついたらその会社はやめるべきだと思う。世の中にはたくさんの企業があり、わざわざ怪しい企業で働く必要はない。自分も辞めた。
今は学生ニートをしつつ、やりたいことをやってるような感じ。会津若松は、なにもないけど自然豊かで静かなので余生を過ごしている感が得られて便利。
インターン
インターンにもいくつか行った。ここで書いていない企業もいくつかある。
リクルート
2 年の時にインターンに応募した。実際には技術面接で落とされた。このときの評価は未だに納得がいっていなくて根に持っている。
はてな
3 年の夏。はてなは昔一番好きだった Web サービスを作っていた会社で、ここでインターンとして働けて本当に良かったと思った。
Scala や Angular を使って Mackerel の機能開発をがんばっていた。
詳しいことは別の記事で書いているのでそちらを。
Wantedly
3 年の夏、はてなインターン終わりの翌週から。2 年の冬頃に Wantedly に遊びに行ったことがあって、気になっていたのでインターンに参加した。
Go のバックエンドを希望していたのに、なぜか未経験の Rails を使っているプロダクトに入ることになった。
採用面接の技術試験は一番難しかった気がする。
Fringe81
3 年の夏、Wantedly の次に行った。ここは年齢層が割と高く他の Web 系の企業とは雰囲気が少し異なる。
ここでは DDD の戦術的設計を行うインターンをして、かなり悩んで苦しかったけどすごくいい経験になったのを覚えている。
就活要素
就活をするにあたって、ある程度内部が分かる企業を選ぼうと思っていた。 あとは、インターン先からも分かるように、Web 系企業を前提に考えていた。
大学
特に Web 系の企業に行きたい人の場合、大学の就職課は完全に当てにしないほうが良い。学部 3 年になると進路についての面談をさせられるけど、自分の挙げた企業名がほぼわからなかったらしく、適当な雑談をして終わった。
最近だと大学経由で一部のインターンを応募できるようになったらしいけど、レポートなりが必要で面倒なので自分で直接応募したほうが間違いなく良い。
交通
面接を受ける最低限の基準として、交通費を全額支給してくれるか否かというのがある。
自分みたいな地方の学生だと交通が悪かったり遠かったりで、東京への参勤交代は肉体的にも精神的にもかなり消耗することになる。
自分の場合だと、東京 ⇔ 会津若松 で、新幹線を使う場合は 3 時間、高速バスを使う場合は 5 時間ほどかかる。
一番多い時期だと週に 1 度は東京へ行っていたので、交通費支給 + 新幹線じゃないと金銭・肉体・精神がマッハで消耗されていく。
自分が面接を受けた企業からは、どこも交通費を支給していただいたので本当にありがたかった。
逆求人
逆求人にも一度行った。アカウントつくって、それなりにプロフィールを充実させておくと早い段階で逆求人の招待が来る。逆求人の開催時期が早いほど企業の質も良い気がしていて、自分が行ったときも興味のある企業ばかりだった。
ただ、異常に疲れるし二回目は一回目と被る企業も出てくるので一度だけ行けば十分だと思う。
資格
一応、就活が始まる前までに情報処理技術者試験の FE / AP / SC / DB を持っていたけど全く役に立たなかった。
そもそも、ソフトウェアエンジニアならこの程度の試験問題なら絶対に解けなければいけないと思って勉強していたので、自分もこれらを武器にしようと思っていなかったし、話題に出すこともなかった。
基準
自分の選んだ企業を選んだ理由はいくつかある。
一緒に働きたい人がいる、使っている技術・興味のある技術がある程度一致している、事業領域に興味があるといった点が大きいかなと感じる。
それぞれのインターンでメンターとなったエンジニアはどの方も本当に尊敬できて、そのたびに一緒に働きたいと思った。
メンターだけではなく、インターンの同期やアルバイト先の学生ともそう思ったときが度々あった。
正直かなり悩んだのも事実だけど、自分も他のエンジニアもずっと同じ企業に属するわけでもないのでいつか一緒に働けるときが来れば良いなぁと思っている。
まとめ
振り返ってみると、それなりに就活っぽいことをやっていたことに気づいた。
企業の性格を見たいならその企業で働いてみるのが一番良いと思う。一週間だと微妙だけど二週間くらいいると大体わかってくる。
自分は、自分の実力に自信が持てない性格なので、企業で働いているエンジニアは全知全能の神のような存在に思える。ただ、一緒に働いていると実は自分のほうが得意、知っている知識があったりして、こんなにすごいエンジニアでも人間なのかー。と実感することができると同時に頑張ろうと思えるようになってくる。
インターンに行くか否かっていうのは人の好き嫌いがあるのでどちらとも言えなさそう。研究や CS の勉強、OSS 活動のほうが好きであればそういうところに割いたほうが良いかもしれない。どちらにせよ、何かに打ち込んでいてそれを伝えられれば、ちゃんとした企業であれば評価してくれるはず。
あとは特に大きなイベントもなく、淡々と春になるまで雪に埋もれているだけなので、卒業できるように卒論がんばりながら、学生の間にやりたいことをやっておきたいなと思う。